はじめに 〜20代で、ぶっちぎれ〜
この本は、20代のうちに仕事を通していち早く突き抜け、伝説となるような仕事を数多く残し、他には替えがたい存在になりたいという人のために生まれました。
世の中には、「あの人は優秀だ」と呼ばれる人はたくさんいますが、「超一流」と呼ばれ、その仕事ぶりを「伝説」として語られるような人はほんの一握りしかいません。
私たちは、仕事を通して数多くの伝説的なビジネスパーソンに出会ってきました。
リクルート、ソフトバンクの人事部で約2万人の20代の学生や社会人に出会ってきた小宮は、現在、TOKYO FMのラジオ番組「伝説の人事部長」で、多くの著名経営者や人事責任者と対談を繰り返し、これから求められる人材について発信しています。
リクルートで数々のクライアントの採用ブランディングをリードしてきた紫垣は、その過程で数百人に及ぶ各社のトップ社員や経営者に、仕事に対する考え方にフォーカスしたインタビューを行い、それを20代の学生や社会人に発信してきました。
私たちがこうした経験から学んだのは、伝説的なビジネスパーソンとなる人に共通しているのは、彼らが20代を全力で走り抜きながら頭角を現し始め、30代、40代と時を重ねる中で大きなチャンスを確実にものにして、加速度的に自分のステージを上げ続けていることでした。
彼らは、他の20代とは次元の違うスピードで成長し続け、その仕事ぶりや実績が、後に続く者たちの刺激となり、社内や業界内で人から人へと語り継がれていく伝説となっていたのです。
私たちは彼らに一般的に新人として大切にすべきことだけでなく、「20代で突き抜けるために大切なことは何か」を聞いていきました。そして、数々のエピソードを聞いていくうちにそこには共通点があることに気づきました。意識的にそうしていたのか、無意識だったのかは様々ですが、それは2 0代で突き抜けるための法則ともいえるものでした。
私たちは、彼らのようなレベルで20代を突き抜ける若者を「伝説の新人」と名づけ、これから社会で活躍していく若い人たちの中に「伝説の新人」を増やしていくことが世の中を活性化するために絶対に必要なのだと思うようになったのです。
時代は明らかに変わりました。もはやいい大学を出て有名企業に就職できれば安心という時代ではありません。少しでもそう思っているのなら、今すぐ幻想を捨てなければなりません。世界中の優秀な人材と競争する時代がすでに到来しているのです。
だからといって悲観的になることもありません。むしろ活躍のフィールドが世界に広がった時代にビジネスのスタートを切るということは素晴らしいことなのです。
20年ほど前の日本では、世界を舞台に活躍するアスリートは極めて少数でした。しかし、今や子供たちはメジャーリーガーになることや、ワールドカップに出ることを夢見てスポーツを始める時代です。そして実際に子供のころから世界を視野に、やるべき練習を積んできた選手が結果を残し始めているのです。
ビジネスの世界も同じです。目標を高く設定し、やるべきことをやっていけば着実に成長は加速します。この本では、仕事を通して20代で突き抜けていくための法則を伝えていきます。これを20代のうちに、もっといえば新人のうちに理解し、身につけることができるかどうか。それが長い人生において圧倒的な差を作り出します。
社会に出て新人と呼ばれるわずかな期間。社会人としていち早く成功のスパイラルに乗る鍵は、この特別な期間がチャンスであることに気づき、これを活かせるかどうかにあります。
これから紹介する10の違いに気づき、当たり前の基準を高く設定し、思考習慣と行動習慣を変えることができれば、あなたも必ず「伝説」を残す突き抜けた人材となることができます。
近い将来「伝説の新人」たちが創り出す新しい世界が生まれることを願っています。
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