ISBNコード978-4-08-786084-9
四六判ハード 256ページ 1,800円(本体)+税
2017/12/15発売
Tweet
日本経済の心臓 証券市場誕生!
著者:日本取引所グループ 監修:鹿島 茂
東京と大阪を中心とする各地の証券取引所では、株式のみならず、さまざまな有価証券が売買されており、株式市場はまさに日本経済の心臓!とも言えます。
その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、世界初の先物市場は何と17世紀の大阪米市場で生まれました。各藩の経済を左右し、幕府でさえコントロールできなかった当時の米市場の実態とはどんな状況だったのでしょうか? また江戸時代の最大の富豪・本間家の現当主への取材を通して、当時の人々の経済観、投資と投機との考え方の違いを探ります。
明治維新後の動乱期、武士階級が没落する一方、海外との貿易が盛んになり、新しいタイプの経済人が生まれます。かの渋沢栄一や、横浜で一世を風靡した田中糸平や今村清之介、血気盛んな経済人らが奔走して生まれた日本初の株式取引所が東京株式取引所です。その創立の裏には、男たちのさまざまな駆け引きや熱いドラマがありました。
戦後の証券市場再開については、GHQとの折衝において難しい局面が多かったのですが、それを再開へと前進させた裏には、何と横山大観ら日本画家たちの活躍がありました。
さらに1980年代末から90年代はじめのバブル期の取引所一日は、まさに活気と緊張感にあふれ、躍動感ある日本経済を実感できる日々でした。この本ではまさにその場にいるかのようなライブ感が味わえます。
この一冊で証券市場の歴史がわかる決定版!
当時の様子がわかる写真やカラー図版も充実しています。是非、保存版に!!
【目次】
はじめに
第1章 江戸期 ――証券取引の夜明け――
1 米は大阪をめざす
2 蔵屋敷と米切手
3 大阪米市場の概要
4 大阪米市場と米切手の仕組み
5 米市場と各藩のファイナンス(財政・資金調達)
6 世界最初の証券先物市場・堂島米市場
7 久留米藩の領主米引渡し拒否事件(前)
8 久留米藩の領主米引渡し拒否事件(後)
9 米飛脚・旗振り通信と遠隔地取引
10 日本における投資家と投機家の原型――本間光丘と本間宗久――
第2章 明治・大正期 ――兜町と北浜――
1 明治初期の堂島米会所
2 取引所設立の背景――武家の退職手当(秩禄公債・金禄公債)の売買――
3 取引所設立の背景――生糸と洋銀取引と明治の新しい経済人――
4 「天下の糸平」と呼ばれた男
5 明治の若き経済人、島清こと今村清之介
6 証券市場の設計者、渋沢栄一
7 株式取引所の設置までの道のり
8 東京株式取引所の創立と、株主リストから見えるパワーバランス
9 東京株式取引所の開業
10 3人のその後
11 五大友厚――ボッケモン人生をまっとうした男――
12 大阪の経済発展を担う五大の活躍
13 金禄公債から鉄道、資本金分割払込制度
14 東京株式取引所株が人気株に。株式ブーム到来!
15 米取引の手法で株式売買
18 明治期の取引と「シマ」の風俗
17 証券の街、兜町の誕生
18 取引所倒産の危機
19 感謝を忘れずに120年
コラム 「成金 鈴木久五郎」
コラム 「兜町の食事事情――立ち食い鮨と弁松」
第3章 昭和期 ――戦後の証券市場復興と隆盛――
1 戦争下の兜町(昭和20年)
2 終戦――新円交換と集団売買(昭和20年〜24年)――
3 「国民一人一人が株主に」
――その1 財閥解体・財産税の物納・特別機関解体――
4 「国民一人一人が株主に」
――その2 史上最大の作戦(昭和22年〜)――
5 証券取引所再開に向けたGHQとの折衝
6 平和不動産は戦前の取引所の承継者
7 証券取引の再開――東京証券取引所の誕生――
8 商法改正とコーポレート・ガバナンスの萌芽
9 山崎種二
10 取引所ビルの変遷
11 バブル期のある日の証券売買立会場――立会場の華「笛吹き中断」――
コラム 「株券の紙はどうつくられるのか」
コラム 「兜神社」
コラム 「立会場で売買された銘柄と手サイン」
終わりに
著者紹介
株式会社日本取引所グループ(JPX)
(にっぽんとりひきじょぐるーぷ:Japan Exchange Group, Inc.)
JPXは、世界有数の規模の株式市場を運営する東京証券取引所グループとデリバティブ取引において国内最大のシェアを誇る大阪証券取引所が2013年1月に経営統合して誕生した持株会社。投資家をはじめとした市場利用者がいつでも安心して有価証券の取引ができるよう、子会社・関連会社を含めたグループ全体で、取引所金融商品市場の開設・運営に係る事業として、株券等有価証券の売買、デリバティブ商品の取引を行うための市場施設の提供、相場の公表、売買等の公正性の確保に係る業務、有価証券債務引受業等を行っている。