集英社ビジネス書

会社を辞めずに収入を月50万円増やす! 小さく始めて成功させる「自分ビジネス」
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ISBNコード978-4-08-786115-0
1,400円(本体)+税
2019/7/5発売
働き方改革の新時代を、どう生きるか。
撮影/織田桂子 構成/遠藤れいこ
ミドルアッパー層に向けたラグジュアリー男性誌『LEON』編集長・石井 洋氏(左)と、卓越したマーケティング手法で事業を成功に導く『会社を辞めずに収入を月50万円増やす!』の著者・船ヶ山 哲氏(右)に、新時代の働き方や自分ビジネス(副業)の見つけ方、日本人の意識の変化などについて、お話を伺いました。

仕事の時間帯を、夜型から朝型へ徹底的に変えました(石井)
海外では、仕事のプライオリティは3番目。1番目は夫婦で、2番目は家族(船ヶ山)

船ヶ山近年、働き方改革が少しずつ浸透してきていると思いますが、働き方が変わったと感じることはありますか?

石井まず、社会全体で言うと、働き方改革という言葉は、ここ1年のニュースでもよく耳にしますし、日本の会社員の方たちの最も気になるキーワードになっていると思いますね。誰もが意識しているのではないかと思います。

船ヶ山ニュースで耳にするのと、実感値とでは少し違うと思うのですが、石井さんの実感としてはいかがですか?

石井実は、働き方改革ということが提唱される少し前に、私は仕事のスタンスを思い切り、朝方に変えたんです。編集の仕事をしていると、朝方まで仕事をして、少し仮眠してから撮影に行く、なんていうスケジュールも日常茶飯事で。夜遅くまで仕事をするのは当たり前になっていました。しかし、自分が編集長になって、私が遅くまで仕事をしていると、部下やその周辺のスタッフの皆さんにまで影響が出るということを、とても痛感しまして。

船ヶ山ああ、そうなんですね。

石井昔は、朝まで仕事をすることも、夜中の12時からミーティングなんてことも、普通にありました。しかし、こんなことをしていると、スタッフに無駄な時間を使わせることになると思って。自分のポジションのことも考えて、徹底的に朝方にしました。

船ヶ山ということは、定刻の出社時間よりも早く出社されているんですか?

石井はい。午前10時半が出社時間なのですが、その前から仕事は始めていますね。朝一の仕事が外の場合も多いのですが、それでも朝7時半〜8時には自宅でメールのやり取りなどをしています。昔は夜、会食が終わってから、お酒が入った状態で編集部に戻り、仕事をしていたことも。年齢のせいもあると思いますが、効率も良くないし、僕とのミーティングが必要なスタッフを待たせてしまうとか、そういうことも考えて、徹底的に朝方に切り替えました。船ヶ山さんはどうですか?

船ヶ山お酒が入った状態で仕事をすると、判断力も鈍ってしまいますよね。夜遅い時間になるとハイになる楽しさはあるので、否定はしないんですけど、私自身もやはり朝、仕事をするということは大事だと思っています。石井さんが朝方にしたのは、何がきっかけだったんですか?

石井会社から、意識しなさいというアナウンスがあったことは事実ですが、その前に周りを観察していて、直感的にそうしようと思いました。私たちの世代は、あまり休んじゃいけないと思う世代ですよね。私たちぐらいの年齢だと、休むことへの不安と罪悪感みたいなものがどうしても拭えない。ずーっと会社にへばりついて、粘ることが美徳と思っていたり。過去、私もそうでした。サラリーマンは夜遅くまで残って仕事しているかが上司に認められるポイントだったりしましたよね(笑)。だから今は、部下にどう休みを取ってもらうか、ということも意識しているのですが、なかなか難しい部分もある。でも、それでいいんだろうか? 自分の人生の楽しさは? と考える人が少しずつ増えてきているのだと思いますね。船ヶ山さんは海外に住んでいらっしゃるし、海外の方ってどうなんですか?

船ヶ山海外は面白くて、夫婦が1番なんですよね。夫婦が1番で、2番目が家族。3番目が仕事なんです。

石井ああ、確かにそうですよね。

船ヶ山今年は、夫婦二人で旅行に行きましょうよ。じゃあその次は、家族旅行をしましょうよ。そしてその次は、また夫婦で旅行をしましょうよ。という感じなんです。日本では、夫婦でも、お父さん、お母さん、って呼び合うじゃないですか。そういうのは全然なくて、歳を取っても夫婦で手をつないでいますよね。

石井私の知り合いの外国人も、そんな感じですね。

船ヶ山オシャレですよね。仕事のプライオリティが下がってきているのかもしれませんね。

石井確かに日本においても、仕事が最上級でなくなってきている傾向はあるのかもしれませんね。

成功する自分ビジネス(お金になる木)は、その人の過去に眠っている!(船ヶ山)
自分のストロングポイントを見極めることは、生きていく上で最も大事なこと(石井)

船ヶ山最近では、終身雇用がなくなり、役職定年や退職金の減額などの話を私のクライアントさんからもよく聞くようになりました。石井さんは、終身雇用がなくなったとして、自分ビジネスを持つことについてどうお考えですか?

石井船ヶ山さんの自分ビジネスがテーマの本「会社を辞めずに収入を月50万円増やす!」にも書かれていたのですが、終身雇用が崩れている時代の備えとして、メンタル的にも経済的にも、自分ビジネスを見つけられたら、それは大きな武器だし蓄えそのものだと思います自分のストロングポイントを見極めることは、生きていく上で最も大事なことだと思いますね。

船ヶ山私の今回のこの書籍は、会社員の人が今までの経歴を活かして、今まで培ってきた知識を上手に使って、自分のビジネスを立ち上げる方法とセオリーを書いた本です。

石井ある意味、会社で学んだこと、学ばせてもらったことを、自分のビジネスに活かすってことですよね。「自分の過去にしか、お金になる木はない」「まずは一円を得ることにこだわれ」という船ヶ山さんの考えに、なるほどな、と思いました。

船ヶ山まさにそうです。その人が稼げる自分ビジネスは、その人の過去にしかありません。私のクライアントで、今までやってきたことと全く違うことをしようとする人がいるのですが、全力で止めます。絶対に失敗するから、と(笑)。

石井ああ、わかります。

船ヶ山そして私はクライアントに、会社はお金をもらいながら勉強できる場所だと常に言っています。私もサラリーマンをやめる前の1〜2年は、自分ビジネスを始める準備を会社の中で仕込んでいました。新しい企画を立てて、その商品作りから販売戦略、実際に販売していくところまで、会社の仕事としてやらせてもらいました。

石井サラリーマンは会社から給料をもらっているという部分は非常に大きいと思うのですが、船ヶ山さんが手がけた一連の仕事が成功したことによって、会社に利益が上がっているわけですよね。

船ヶ山はい、そうです。自分が作り上げた事業が成功したことに、とても勇気をもらいました。

石井個の自分が次の時代をどのように突破していかなければいけないのか。もっとリアルに考えたら、奥さん、子供、家のローンをどのようにしたらいいのか、人それぞれ考える自由があると思うんです。それをどのように会社にいながら磨くかというのは、個人の問題ですよね。最終的には、給料をもらっている会社に対して、利益として戻すことができれば、会社と非常に良い関係ができると思いますね。

男性誌『LEON』は、利益効率で見たら、数ある雑誌の中でもダントツだと思う(石井)
やり方を知らないだけで、誰もがお金を生み出すビジネスで成功できる!(船ヶ山)

船ヶ山多くの人はビジネスのやり方を知らないんです。センスがあって能力が高くて、という人は世の中にたくさんいます。しかし、そういう人たちが年収1000万円で止まっているケースは多いですね。

石井どうしてなんでしょうね?

船ヶ山時間を切り売りしている働き方をしているから、年収1000万円止まりになってしまうんです。成功している起業家と何が違うのか、稼ぎ方や働き方を知らないんですね。それだけのことです。

石井そのやり方が「会社を辞めずに収入を月50万円増やす!」に書いてありますよね。

船ヶ山はい。自分には何のビジネスが向いているのか、早く成功するためには、無駄を省いて自分の過去のリソースを活かすのが最短です。成功した起業家になるには、自分が働いたらいけないんです。お金を使ってスタッフに働いてもらう。

石井なるほど。僕もそういう性格ですが、発想としてまず自分が動くことを考えちゃいます。

船ヶ山まずは、お金の入る仕組みを作って、ツールや従業員に仕事してもらうんです。自分がやらなくてもいいんです。なぜサラリーマンの人がビジネスができないか、といえば、仕組みを作ったことがないからです。会社が作った仕組みに乗っかって作業として仕事をしているからなんですよ。

石井なるほど。

船ヶ山仕組みを作れる人になれば、お金を生み出すのは難しくないんです。雑誌LEONも仕組みがしっかりできていると思いますね。

石井確かにそうですね。雑誌LEONはコンセプトワークとしての仕組みがしっかりとできていると思います。何十万部と売らなければいけない雑誌ではなく、利益効率でいったらLEONは、数ある日本の男性誌の中でダントツだと思いますね。

船ヶ山すごいことですね。それこそ仕組みもブランディングもできているということですよね。

石井私は創刊時、28歳かそこらで「ラグジュアリーはよくわかりません」って頃から、ずっとLEONの編集をやっていて、当時40歳や50歳のリッチな方達に向けて雑誌を作らなきゃいけなくて。そこは相当鍛えられたと思いますが、当時から LEONはすごい仕組みだなと感じていました。

船ヶ山その仕組みとは具体的にはどういう仕組みだったのですか?

石井シンプルに言うと、「LEONに掲載された商品は売れる」という土壌を作ることです。これをあらゆる方向から徹底していました。若い子のトレンドには決して迎合しないってことは貫いていたし、「 LEONに載ってたあの時計、欲しいから買わせてよ」って読者に言ってもらうことを本気で考えて誌面を作っていましたね。

船ヶ山「モテるオヤジ」「ちょい不良(ワル)オヤジ」という言葉も新鮮で、刺さりましたよねLEONはどこから火がついたんですか?

石井今や男性誌であっても「モテる」という言葉を使うのは普通になりましたが、当時はかなり新しかった。夜中、編集部には「ふざけるな!」などのお叱り電話がかかってきたことも(笑)。しかし、なかには「よくよく考えたら、男の本音を言ってるよね、LEONは」って人もジワジワ増えてきて。結果「こいつら、ぶっちゃけてておもろいやん」と、関西方面から火がつき出しました(笑)。

船ヶ山LEONは本当にコンセプトの雑誌なんだなってしみじみ思います。

石井ジローラモさんも約18年、創刊準備号からずっとのお付き合いです。同一人物で単一の雑誌のカバーをやっているギネス記録を持っていて、今も継続中なんですよ。

船ヶ山それは、凄すぎますね(笑)

創刊時50歳だった読者が、18年経って68歳になった今もファンでいてくれる(石井)
子供達には、言葉、文化、習慣など海外のグローバルなものを身につけさせている(船ヶ山)

船ヶ山今、人生100年時代になってきていますよね。今までは、例えば70歳なんていうと、もうファッション雑誌なんて見ない、という感覚だったのですが、今の時代の70歳の方は若いですね。ファッション雑誌も見ていそうなおしゃれな方もたくさんいらっしゃいますよね。

石井感覚で言うと、少なくとも10歳は若いですよね。他にも、LEONの創刊時50歳だった読者が18年経った68歳の今もLEONのファンでいてくれるケースも多々あるんです。その息子さんから、「うちの親父がLEONの大ファンなんです」なんて言われることも増えてきました(笑)。これは、LEONはまだまだイケるなと(笑)。

船ヶ山僕らも負けてはいられませんね(笑)

石井ところで、船ヶ山さんには、オフィシャルウェブサイト『LEON.JP』で『船ヶ山哲の年収1億円を叶える思考術』という連載をやっていただいていて、前から聞きたかったのですが、船ヶ山さんにとってお金とはどういうものなんですか?

船ヶ山ある意味、サラリーマン時代は、社長さんの世界を作るお手伝いをしていたと思うんですね。でも、自分の世界を作りたいっていう思いで起業して、お金はその評価の現れなのかな、と思っているんです。どれだけカッコいいことを言っていても、それを形で評価するものがないと、自分のやってきたことが正しいのかどうか、ジャッジできない。僕にとってお金は、たくさんの人に価値を与えてきた証拠でもあります。価値を与えた指標なんですね。ちょっと承認欲求に似ているかもしれないです。

石井なるほど。一方で、稼ぐ目的はなんなのですか?

船ヶ山明確なことが一つありまして。僕は、過去に家庭の事情でうつ病になり、一度自殺未遂をしているんです。だから、一度僕の人生は終わっているんですよ。では、なんのために生きているかというと、二人の子供達のために生きています。今、ビジネスをしているのは、長男「レム」と長女「リラ」のため。だから会社名を、二人の子供の名前を合わせて「レムズリラ」としました。

石井なるほど。すごく明快ですね。

船ヶ山僕はビジネスを自分の代で終わらせようとは思っていなくて。日本である程度、基礎基盤を作ろうと思っています。もし僕の代で日本、アジアくらいまで基礎固めをしておけば、子供たちは世界で戦えるんです。

石井土台作りですね。

船ヶ山子供達には、小さい頃から言葉、文化、習慣など海外のグローバルなものを経験させ身につけさせています。それは全部、子供達に合わせてビジネス設計をしているんです。

石井新時代の教育を実践されているんですね。

■男性誌『LEON』編集長 石井 洋(ISHII HIROSHI)
1974年生まれ。フリーランスのエディター・ライターとして多岐にわたり活躍した後、ミドルアッパー層に向けたラグジュアリー男性誌『LEON』に参画。2017年3月より同誌編集長に就任。2018年12月より、オフィシャルWebサイト『LEON.JP』編集長を兼任。モードからクラシコまで精通するファッション博愛主義者。週末は趣味のゴルフ、格闘技観戦にいそしむ。

■ビジネスコンサルタント 船ヶ山 哲(funagayama tetsu)
1976年生まれ。心理を活用したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、企業後わずか5年で1000社以上のクライアントをサポート、事業の成功へと導いている。その卓越したマーケティング手法は、数々のメディアから注目され、テレビ番組のメインキャストやラジオのパーソナリティーも務める。プライベートでは、子供の教育を最優先に考え、カナダのバーナビーに在住。
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